福岡高等裁判所 昭和27年(う)1539号 判決
麻薬取締法第三八条第一項は麻薬施用者は麻薬を他人又は家畜の疾病治療にのみ用うべきことを規定しこれを自己に施用することを禁止し同法第三九条を以て更に前者の行為を制限し特に麻薬の中毒症状を緩和する為又は中毒を治療するため麻薬を用うることを禁止している従つて麻薬施用者が自己の麻薬中毒を緩和する為麻薬を施した所為は単に右第三八条第一項第五十七条違反の罪を構成するに過ぎず右第三九条第五七条違反の罪までも構成するものではない従つて原審が原判示事実に対し単に右第三八条第一項第五七条を適用し右第三九条を適用しなかつたのは相当であつて原判決には法律の適用を誤つた違法は存しない。論旨は理由がない。